飲食店お役立ちコラム

2022.02.7

経営

FLR比率とは?飲食店経営で重要な指標

FLR比率

FLR比率とは、売上の中で、食材費(Food)+人件費(Labor)+家賃(Rent)が占める割合いを分析するための指標です。FLR比率は、この3つのコストと売り上げから算出しますが、比率が低いほど利益が高く、比率が高いほど利益が低いということになります。

集客や売り上額に注目しがちですが、長く飲食店経営を続けていくためには、このFLR比率を常に意識しコントロールしていくことが必要。この記事では、理想のFLR比率にするためのヒントを紹介していきます。

FLR比率とは?

FLR比率の計算

FLR比率は、以下の計算式から割り出します。

FLR比率(%)=(食材費+人件費+家賃)÷ 売上×100

食材費(Food)

料理の原価となる材料費やドリンクの仕入コストです。

人件費(Labor)

人件費は給料だけではなく、賞与・役員報酬などの各種手当て・社会保険料・福利厚生費・交通費なども含みます。

家賃(Rent)

家賃+店舗の管理費・共益費なども含めた金額で計算します。 自己所有の店舗の場合は、固定資産税の金額を使います。

FLR比率の目安

理想的なFLR比率は、売上に対して材料費+人件費が60%、家賃が10%とされています。飲食店の業態は様々ですので、原価率に差がありこの理想値は前後しますが、理想比率を意識することで継続的な利益獲得に繫がる可能性が高まります。

FLR比率のコントロール

FLR比率が高すぎる場合は、それぞれの経費を見直す必要がありますが、営業に支障をきたさない方法で比率をコントロールすることが求められます。

食材費(Food)の見直し

主に食材のコスト削減を図ることになりますが、食材の質を落とすことは避けたいです。そこで注目したいのが、食品ロスを減らすことです。在庫の管理をしっかり行い、FLR比率の計算にも反映しましょう。

参照:飲食店が取り組む食品ロス対策【事例あり】

食品ロス対策は、社会的責任を果たすと同時に、食材費を抑えることが可能です。まずは食品ロス対策に取り組むことを考えましょう。

人件費(Labor)の見直し

接客サービスの品質や作業効率に影響しマイナス面が大きくなるため、単純に人件費を削減することは避けたいです。
ただでさえ人手不足の中、給与や人員を減らすことは、スタッフのモチベーションが保てずサービスの低下を避けることができないでしょう。

そこで、オーダーやレジなどの業務を自動化する、セルフオーダーシステムの導入が効果的です。もちろん、ある程度のランニングコストがかかることになりますが、最近では小規模店舗向けの費用を抑えたプランも用意されています。

ホールスタッフの負担が軽くなる分接客の質が上がり、オーダーをとる手間やミスが無くなり、レジ対応時間の短縮が可能ですので、結果的に人件費の削減に繫がります。

家賃(Rent)の見直し

家賃の理想的な目安は10%以内。10%を超えている場合、売上に対して店舗が見合っていない可能性があります。一度出店してしまうと費用を削減するのは難しいですが、値下げ交渉を試みてみましょう。また、最近ではアイドルタイムを利用して客席を貸し出すという方法があります。少しでも家賃コストの割合を下げる手立てになるのではないでしょうか。

参照:【飲食店のアイドルタイム】客席をテレワークスペースに活用

FLR比率とは?飲食店経営で重要な指標:まとめ

理想のFLR比率は、それぞれの飲食店により異なります。まずは店舗毎の状況に見合う適正なFLR比率を知ることから始めてはいかがでしょうか。

一般的に理想のFLR比率は70%以下だとされています。もし、かなりオーバーしているようであれば、無駄なコストを見直す、また効率化することでコストを抑えていくなど、FLR比率を適切にコントロールすることで、コンスタントな利益確保を目指しましょう。

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