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2021.10.22

経営

【雇用調整助成金の特例措置】来年3月末まで延長

雇用調整助成金

新型コロナウイルスの影響により事業活動の縮小を余儀なくされた事業者に対し、従業員の雇用を維持する休業手当などの一部を助成する「雇用調整助成金」の特例措置が、令和3年11月末までだったところ、来年3月まで延長されました。

新型コロナウイルスの影響で特例措置を設けている雇用調整助成金の支給決定額はすでに4兆円を超えています。この助成金によりなんとか従業員を解雇せずに済んだという飲食店も多いのではないでしょうか。

年末年始にかけ第6波がやってくるとも言われており、再度の休業要請が考えられますので、あらためて雇用調整助成金の特例措置について確認していきたいと思います。

雇用調整助成金の特例措置:概要

雇用調整助成金は、新型コロナウイルスの影響により事業活動の縮小を余儀なくされた事業者に対し、従業員の雇用維持を図るための休業手当などの一部を助成するもの。通常時の雇用調整助成金よりも、助成率及び上限額が引き上げられており、条件も緩和されています。

ここでは、緊急対応期間における制度の概要をご紹介します。

支給対象となる事業主

新型コロナウイルス感染症に伴う雇用調整助成金の特例措置では、以下の条件を満たす全ての業種の事業主を対象としています。

  1. 新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
  2. 最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している
    (※比較対象とする月についても、柔軟な取り扱いとする特例措置があります。)
  3. 労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている

助成対象となる労働者

事業主に雇用された雇用保険被保険者に対する休業手当などが、雇用調整助成金の特例措置の助成対象です。
学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当は、緊急雇用安定助成金の助成対象となります。(雇用調整助成金と同様に申請できます)

助成内容

判定基礎期間の初日が令和3年4月末までの場合

従業員の休業に対し一人一日当たり最大15000円が支給され、対象期間内の休業であれば日数の制限はありません。

判定基礎期間の初日が令和3年5月以降の場合

一人一日当たり最大13500円 ※地域特例、業況特例の対象となる企業は最大15000円

【判定基礎期間とは?】

雇用調整助成金を受給する場合、休業等を実施した期間を賃金締切期間や暦月で区切った1か月ごとに申請を行います。この、休業等を実施した期間を区切った1か月を判定基礎期間といいます。(支給申請書の判定基礎期間には賃金締切期間を記載すれば問題ありません。)

助成金額の算出

雇用調整助成金の特例措置における助成金額は上限額の範囲内で職場の平均賃金を基準に算出されます。

(平均賃金額(※) × 休業手当等の支払率)× 下表の助成率
(1人1日あたり15,000円もしくは13,500円が上限)

雇用調整助成金の特例措置

(※1)緊急事態措置を実施すべき区域、まん延防止等重点措置を実施すべき区域(以下「重点措置区域」という)において、知事による、新型インフルエンザ等対策特別措置法第18条に規定する基本的対処方針に沿った要請を受けて同法施行令第11条に定める施設における営業時間の短縮等に協力する事業主(~4月末は大企業のみ。)
※重点措置区域については、知事が定める区域・業態に係る事業主が対象。
※各区域における緊急事態措置又は重点措置の実施期間の末日の属する月の翌月末まで適用。
(※2)生産指標が最近3か月の月平均で前年又は前々年同期比30%以上減少の全国の事業主
(※3)原則的な措置では、令和2年1月24日以降の解雇等の有無で適用する助成率を判断
地域・業況特例では、令和3年1月8日以降の解雇等の有無で適用する助成率を判断

引用:雇用調整助成金等・休業支援金等の助成内容(https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000844612.pdf)

雇用調整助成金の特例措置:支給までの流れ

雇用調整助成金の特例措置では、緊急対応期間中として「計画届」の提出を不要としています。

申請について

申請については、厚生労働省の雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)に支給申請に必要な書類や手順が掲載されていますので、ご確認ください。
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html)

雇用調整助成金の特例措置では、当初の雇用調整助成金よりかなり簡略化され申請しやすくなっていますが、難しい場合は申請サポートを行っている社会保険社労士に依頼できます。また、多くの自治体が雇用調整助成金の申請費用を補助していますので、該当する自治体ホームページを確認してみてください。

雇用調整助成金の特例措置:まとめ

岸田新内閣はコロナ対策に最優先で取り組み、数十兆円規模の経済対策も策定する方針を表明しています。早速、雇用調整助成金の特例措置が、3月末まで延長されました。
現在の雇用調整助成金の特例措置の助成内容は令和3年12月末まで、来年1月以降の特例措置の内容は、助成内容を検討し11月中に改めて公表されるとのことですので、助成額と助成率が変更になる可能性があります。受給を希望している店舗は早めの申請をお勧めします。

再度の休業要請も考えられますので、雇用調整助成金の特例措置をはじめ、あらゆる国の対策に注意を向けていきましょう。

厚生労働省:雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例) (https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html)を加工して作成

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