飲食店お役立ちコラム

2022.03.14

経営

【オーガニックレストラン】JAS認定で差別化を

オーガニックレストラン

環境問題や新型コロナの影響による健康意識の高まりから、世界ではオーガニック市場が急成長しています。日本でも市場規模の拡大を受け、有機食材を使った料理を提供する飲食店等が正しい情報を提供するためのオーガニックレストランJAS(有機料理を提供する飲食店等の管理方法)が制定されました。 消費者は、有機食材の情報を正しく得られるオーガニックレストランを選ぶことができ、認証事業者は、自称オーガニック店との差別化が可能です。

この記事では、オーガニックレストランJASについて、また今後のオーガニックレストランの需要について紹介していきます。

オーガニックレストランJASとは

オーガニックレストランJASの正式名は、「有機料理を提供する飲食店等の管理方法」といい、2018年に施行された新しい日本農林規格で、有機農産物や有機加工食品のJASなどの、生産行程及び製品を認証するものではなく、有機料理を提供する飲食店等の管理方法を認証するもの。有機食材を一定割合以上使用した料理が提供できて、顧客に正しく情報を伝える管理能力の認証です。

オーガニックレストランJASの目的

これまでは、オーガニックレストランといっても、有機食材の由来や使用量を証明する等の共通ルールはなく、管理方法が統一されていませんでした。そこで、管理方法の基準を統一するためオーガニックレストランJASが制定されました。

オーガニックレストランJASの効果

オーガニックレストランJASにより、次の効果が期待できます。

  • オーガニックレストラン店等における管理水準が向上

  • 消費者が必要とする情報や信頼を規格・認証で担保

  • オーガニック料理を望む顧客の期待に応える

  • オーガニック食材生産者の取組拡大に寄与

オーガニックレストランJAS 認証事業者のメリット

正式なオーガニックレストランであることを表すために、メニューなどに認定店の証にJASマークを表示することで、自称でオーガニックと名乗っている店舗との差別化ができます。また、業務のマニュアル化により、従業員の作業効率化も期待できます。

オーガニックレストランJAS 消費者のメリット

オーガニックレストランを選ぶときに、どの程度オーガニック食材使用しているのか、本当にオーガニックなのか、見極めることが難しくお店を信用するしかありませんでした。オーガニックレストランJAS認定店であれば、JASマークが目印となるので、安心して利用できます。

オーガニックレストランJASの規格内容

主なオーガニックレストランJAS企画の内容は、

  • 認証対象業態は、レストラン、⾷堂、喫茶店、ケータリング、仕出し、テイクアウト など。

  • 原則(要求事項の基礎)は、環境に配慮した⾷材、製品の使⽤、⾷材が持つ特性を損なわない調理、⾷材の情報について正しい情報提供を行う。

  • その他、運営管理として、⽅針に基づく⽬標や、計画の策定、教育訓練を行う。

  • 有機⾷材を80%以上使⽤した料理を、5品⽬以上提供する。

  • 有機⾷材の料理数、⾷材根拠、配合割合等を正しく情報提供する。

詳しくは、農林水産省ウェブサイト「有機料理を提供する飲食店等の管理方法」で確認できます。
(https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/kikaku_itiran2-188.pdf)

オーガニックレストランJAS規格の認定を受けるには、有機JAS制度や有機食材についての知識、管理・運営方法や記録書類を適切に作成することなど、前提として理解しておかなければいけないことがありますので、認定を受けたい場合は、認証機関による講習会などを受講するのが良いでしょう。

問合せ先:農林水産省の生産局農産部農業環境対策課
(https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/yuuki/buy.html)

【オーガニックレストラン】JAS認定で差別化を:まとめ

以前は、オーガニックは一部の意識の高い人達だけのものというイメージがありました。しかしコロナ禍を契機に、消費者に大きな価値観・意識の変化が起こり、今では多くの人が健康だけでなく環境問題からもオーガニックに関心を持ったことで市場の急成長に繫がったようです。

農林水産省は、農業の生産力向上と持続性の両立を実現をめざす「みどりの食料システム戦略」を策定しました。2050年までに耕地面積に占める有機農業の取り組み面積を拡大することなどの目標を掲げ、有機農業の拡大や化学農薬、化学肥料の削減のために、さまざまな施策が実行され、その予算は約70億円に及んでいます。有機農業の拡大に伴い、今後もオーガニックレストランの需要は拡大していくものと予想されます。
オーガニックレストランは、新しい展開を考えている飲食店の、選択肢のひとつと言えるのではないでしょうか。

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