飲食店お役立ちコラム

2023.11.6

食料・食品

GIマークでブランド産品を守ろう

日本には多くのブランド産品が存在しますが、これらを地域の知的財産として保護するために、地理的表示(GI)保護制度が制定され、GIマークが商標として登録されました。 GIマークは、登録された産品の地理的表示と併せて使用することで、地域ならではの要因と結びついた特性を持つ産品ことを証明します。 この記事では、GIマークの効果や、飲食店が表示する際のメリットについて紹介します。

GIマークとは

日本の地域ならではの要因に育まれた食材は、神戸ビーフ、米沢牛、越前がに、夕張メロンなど、広く知られたブランド産品が多くあります。しかし、産地の偽装問題は後を絶たず、販売業者や飲食店が不当に利益を得るだけでなく、地域ブランドそのものが損なわれる事件が多発してきました。また、アジア諸国でも勝手に地域ブランド名が使用されたり、偽物が販売されたりしている現状があります。

このような背景から、地理的表示(GI)保護制度が整備されました。 この制度は、特定の地域での自然的、文化的、社会的な要因に育まれた品質や社会的評価などの特性を持つ産品の名称を、その地域の知的財産として保護するものであり、 GIマークは、その地域のGI産品であることを証明します。
GIマークは、GI産品そのものや、包装、広告、レストランのメニュー、チラシ等幅広く使用することができます。その際、GI登録された産品の地理的表示と併せて表示することが必要です。

GIマークのデザインは、大きな日輪を背負った富士山と水面をモチーフに、日本国旗の日輪の色である赤や伝統・格式を感じる金色を使用し、日本らしさを表現しています。

飲食店がGIマークを利用するメリット

飲食店でもGIマークを適切に活用することで、以下のようなメリットが期待できます。

メニューの差別化

GI産品をメニューに取り入れ、GIマークを表示することで、競合店との差別化を図ることができます。顧客は食事体験が特別であると感じ、リピート訪問や口コミによる新規客の獲得が期待できます。

マーケティングの強化

GIマークを利用することは、飲食店のマーケティング戦略に有効です。GI産品をメニューに取り入れ、GIマークを強調した広告やプロモーションを行うことで新規顧客にアピールし、認知度を高めることが期待できます。

地域との協力関係

GI産品をメニューに取り入れることは、産地との連携を強化します。生産者や協同組合と提携し、地域の食材を使用することで、協力関係を築くことができます。

飲食店自体のイメージ向上

信頼性が高く高品質なGI産品を使用することで、飲食店自体のブランドイメージを向上させることができます。

GIマークを飲食店が表示する際の注意点

GIマークは、飲食店のメニュー表にも使用することができます。 その場合、原料GI産品の地理的表示や写真と一体的にGIマークの表示を行う必要があります。また、GI産品を使わないメニューがある場合はどれがGI産品なのかが分かる表示にする必要があります。

農林水産省:GIマークの活用促進に向けた使用方法のガイドライン(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/gi_mark/attach/pdf/index-5.pdf)を加工して作成

登録産品一覧

2023年現在、GI登録されている産品は以下です。

出典:農林水産省:地理的表示(GI)保護制度 登録産品一覧(https://www.maff.go.jp/j/shokusan/gi_act/register/)

GIマークでブランド産品を守ろう:まとめ

日本地理的表示協議会では、地理的表示(GI)保護制度の登録産品の認知度向上・プロモーションを図るため、飲食店の料理人がGI産品を使ったオリジナルメニューを考案し、一般消費者の方へ提供する「GIレストランフェア」を開催しています。GIレストランフェアは、日本食材の魅力を再発見できるということで注目を集めています。

日本の農林水産物は安全安心で美味しいと世界的にも評価が高く、貴重な財産です。飲食店がGIマークを積極的に活用することで認知度を高め、大切なブランド産品を守っていきましょう。

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