飲食店お役立ちコラム

2023.10.2

経営

飲食店の出店場所探し【5つのポイント】

飲食店を出店すると、簡単に立地を変えることはできないため、多くの店舗は出店前にマーケットデータの調査を実施しているようです。しかし、飲食店の立地調査に関するアンケートによると、
約4割の飲食店は店舗の立地に満足していない
という結果がでています。

そこでこの記事では、店舗の立地で後悔しないために、飲食店の出店場所探しにおける5つのポイントについて紹介していきます。

飲食店の「立地調査」の結果

飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」が、飲食店を出店する際の「立地調査」に関するアンケートを行った結果の一部を紹介します。

店舗の物件を探す際に行った調査について聞いたところ(複数回答可)、「周辺人口や駅乗降者数などのマーケットデータの調査(42.5%)」、「近隣店舗の客数の計測(34.4%)」、「店前や周辺の通行量の計測(32.1%)」、「上記の調査は行っていない(39.2%)」、という回答が得られました。

運営中の店舗の立地について満足しているかどうかを聞いたところ、「不満足(10.4%)」、「やや不満足(30.7%)」、「普通(11.8%)」、「やや満足(25.0%)」、「満足(22.2%)」、という回答が得られました。

一度出店すると簡単に立地を変える事はできず、不満があったとしても同じ場所で営業を続ける事になります。アンケートでは、「不満足」と「やや不満足」を合わせた約4割の飲食店は、運営中の店舗の立地に対し何らかの不満を抱えているという結果が出ています。

飲食店.COM(株式会社シンクロ・フード)調べ
引用:飲食店リサーチ  https://www.inshokuten.com/research/company/

飲食店の出店場所は、調査を実施しているにもかかわらず、多くの店舗が不満を抱えているようです。これらの回答から、時間をかけてしっかりと立地調査を行うことの重要性が読み取れます。

飲食店の出店場所探しのポイント

飲食店の出店場所を選ぶ際に考慮すべきポイントは多岐にわたります。

1. 顧客層と需要

目標の顧客層を理解し、その需要が高い場所を選ぶことが重要です。例えば、ファーストフード店なら、近くに学校があり、学生が多く住むエリアを選ぶなど。

2. 地域の競合店舗

既存の競合店舗の数や種類を調査し、競争が激しいエリアを避けるか、差別化戦略を検討します。調査方法としては、以下が考えられます。

実地調査

競合店舗を直接訪れて、メニューやサービス、価格、客層、店舗の雰囲気などを調査します。また、競合店舗の立地や営業時間、定休日などもチェックしましょう。

ウェブサイトやSNSの調査

競合店舗のウェブサイトやSNSをチェックすることで、メニューやサービスの詳細、価格、プロモーション活動、顧客の反応などを調査します。

口コミサイトの利用

食べログなどの口コミサイトを利用することで、顧客の評価や意見を調査します。

市場調査会社の利用

専門の市場調査会社を利用することで、より詳細なデータや分析を得ることができます。

3. 交通アクセスと駐車場

便利な交通アクセスや駐車場の有無は、顧客の立ち寄りや来店意欲に影響を与えます。交通量が多い場所や公共交通機関の利用がしやすい場所が好まれます。
交通アクセスが良い場所であればスタッフが通いやすく、求人の際に有利です。

4. 周辺の人口密度とデモグラフィクス

周辺の人口密度やデモグラフィクス(年齢、所得、家族構成など)を調査し、ターゲット市場に合致する場所を選びましょう。調査方法としては、以下が考えられます。

国勢調査

総務省統計局が実施する国勢調査は、出店を計画している地域内の人口、男女・年齢別人口、昼間人口・夜間人口、世帯数、単身世帯数、学生数などの基礎的な情報を提供します。

総務省統計局ウェブサイト(https://www.stat.go.jp/)

地域メッシュ統計

総務省統計局が提供する地域メッシュ統計は、国勢調査等の統計データを編成することで作成され、出店計画や商圏分析等で広く利用されています。

総務省統計局:民間での活用の具体例
(https://www.stat.go.jp/data/mesh/pdf/jirei.pdf)

市場調査会社

専門の市場調査会社を利用すれば、より詳細なデータや分析を得ることができます。これらの会社は、消費者の購買行動、ライフスタイル、価値観など、国勢調査では得られない情報を提供することがあります。

5. 賃貸料金とオペレーションコスト

賃貸料金や関連するオペレーションコスト(水道光熱費、人件費など)を予算内で収めることが重要です。高コストの場所での出店はリスクが高まります。
人件費に関しては、セルフオーダーシステムを導入することで、コスト削減に繋がりますので、検討してみるのも良いでしょう。

規制と許可

地方の規制や許可手続きを確認し、出店する場所での適切な許可を取得できるかどうかを確認します。

商業的な戦略

開業時期や季節に合わせて出店する場所を選ぶことも重要です。また、将来の成長戦略に合致するかどうかも考慮します。

地域の文化とトレンド

地域の文化やトレンドに合致するかどうかを考慮し、地元の嗜好に合ったメニューやアプローチを採用します。

資金調達と投資回収期間

出店場所の選定には、資金調達の可用性と投資回収期間も考慮します。資金調達が難しい場所や長期間の回収が見込めない場所は検討の余地がありません。

飲食店の出店場所探し【5つのポイント】:まとめ

飲食店の成功は出店場所だけでなく、料理の質、サービス、価格設定、マーケティング戦略など多角的な要素が必要ですが、その中でも立地の良し悪しが7~8割とも言われています。

交通アクセスの良い場所は賃貸料金が高額であったり、他の条件は合っているのに規制があるなど、すべてのポイントをクリアすることは難しいので、優先順位をつけ全体のバランスを見ながら検討しましょう。

最適な立地を探しだすことは大変労力がかかりますが、場所探しのポイントとその他の要素を総合的に考慮し、ビジネスプランに合致する出店場所を選ぶことが成功の鍵となるでしょう。

最新記事

カテゴリー