飲食店お役立ちコラム

2022.02.28

経営

フードトラックが人気!飲食店の新たな展開

フードトラック

フードトラックとは、厨房設備を備えた車両の名称です。ニューヨークでは風物詩になっていますが、日本ではキッチンカーとも呼ばれ、主にイベント会場や施設の駐車場などで利用されています。

コロナ禍で飲食店での食事が制限される中、このフードトラックがあらためて注目を集めています。フードトラックは、実店舗を出店するのにくらべ、初期投資や人件費が低く家賃が不要。実店舗では限られてしまう集客地域を広げることができるため、新たな顧客の獲得が期待できます。
この記事では、実店舗を持つ飲食店が、フードトラックを出店するメリットや注意点について紹介していきます。

フードトラックの特徴

前回の記事で紹介したゴーストレストランやフードトラックなど、新たな飲食店の展開が始まっています。特にフードトラックは、移動ができて出店しやすいというメリットがあるため、飲食業界からも大きな注目を集めています。

最近では実店舗を持つ飲食店が、2店舗目としてフードトラックで出店するケースも見られるようになりました。フードトラックの強みを活かし、実店舗と移動販売の両方で効率良く売上アップを目指すことができます。

飲食店がフードトラックで出店するメリット

1.初期投資が少ない

最大のメリットは、実店舗に比べ初期投資や固定費が少なく済むということでしょう。初期投資としてフードトラック自体の準備が必要ですが、実店舗出店に比べると大きく費用を抑えることができます。

2.ノウハウ・資材を活かせる

すでに実店舗を持っていれば、フードトラックを出店する上で、これまでのノウハウや資材・材料を活かせます。例えば、実店舗で提供するランチをフードトラックでも販売することもできますので、効率良い運営が可能です。

基本的にフードトラックで調理営業をする場合、車内では温める、揚げる、盛り付ける等簡単な調理、盛り付けのみが許可されており、一次処理となる仕込みは別の場所で行う必要があります。
フードトラックでの営業許可の申請時に、メニューによって仕込み場所についても保健所の許可が必要となりますが、その点、すでに実店舗で経営を行っていれば仕込み場所の問題はありません。また、排水の処理は大変なので、実店舗があれば調理道具などの洗浄を行えるのも利点です。

3.実店舗のPRができる

実店舗の場合、近隣のお客さま中心になり、特にランチでは半径数メートルに限られてしまいます。その点フードトラックでの営業は、店舗の所在地域外の方にも、お店の味を知ってもらうチャンスです。

例えば、フードトラックで提供したランチの味を気に入ってもらえば、実店舗へディナーに来てもらうことが期待できます。フードトラックで実店舗のメニューを掲載したフライヤーやクーポン券などを配布しPRするのも効果的でしょう。

4.状況に応じて移動できる

実店舗では一度出店してしまうと、ターゲット設定がずれていた、また地域の味の嗜好が異なっていたなど、思ったよりも集客に苦戦することがありますが、フードトラックは集客が見込める場所に移動することができます。もし出店場所を間違えても修正することができるので、飲食店の2号店を出すにはチャレンジしやすい方法といえます。

フードトラックで出店するには?

フードトラックの許可・資格

フードトラックを使って営業するには、実店舗と同じように食品衛生責任者の資格が必要です。複数の地域に出店する場合は、地域ごとの保健所で営業許可が必要になります。(営業許可には更新があります。)

また、基本的には普通免許でフードトラックの開業は可能ですが、トラックの大きさによっては準中型免許が必要になります。

フードトラックの出店場所

フードトラックも実店舗と同様に、出店する場所が重要となります。場所は売上を左右するポイントですので、しっかりと探して決める必要があります。
オフィス街・イベント会場・商業施設や公共施設の駐車場・団地など、提供するメニューによってどんな場所が合っているかを見極めましょう。

出店場所を探す方法ですが、自分で探して交渉したり許可を得るには多くの時間と手間がかかりますので、マッチングサービスを利用したり、地域の商工会議所に相談するほうが効率的です。

フードトラック出店の注意点

フードトラックの外装は集客にとって重要ですので、つい凝ってしまいがちですが、車体だけでなく営業許可に必要な設備費がかかります。あまり外装こだわりすぎると、思いがけず大きな金額になってしまうので、しっかりと予算を立ててからフードトラックを製作しましょう。

フードトラックの設備についても規定があり、各自治体で営業許可のおりる基準が異なります。キッチンカーの製作が済んだ後に、保健所の営業許可に通る仕様になっていなかった!というトラブルを避けるためにも、事前に保健所に相談するのが良いでしょう。

また、いくら実店舗よりも初期費用や固定費が少なく済むといっても、軌道に乗るまでの運転資金も用意する必要があります。食材費・人件費・ガソリン代・消耗品などの他にも、PL保険料やチラシやポスティングの宣伝広告費なども必要ですので、あらゆる経費を含めて計画を立てましょう。

フードトラックが人気!飲食店の新たな展開:まとめ

飲食店にとって厳しい時代となっていますが、そんな中でもフードトラックは、実店舗では限られてしまう集客の範囲を広げることができ、新たな顧客の獲得が期待できます。
フードトラックは、これからも飲食店の展開として有効な手段になっていくことでしょう。

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