飲食店お役立ちコラム

2023.03.6

経営

飲食サービスは緩やかな回復へ

飲食サービス

経済産業省では、飲食関連産業の動向を示すフード・ビジネス・インデックスを毎年公表しています。
フード・ビジネス・インデックスとは、飲食料品に関連する食料品工業、食料品流通業、「飲食店・飲食サービス業」の活動状況を試算した経済指標です。
この記事は2022年上期の飲食店・飲食サービスの動向を紹介します。

これまでの飲食サービスの活動状況を振り返って

2021年の飲食店・飲食サービス業の活動状況を振り返ってみると、第3四半期まで緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が続いたことから低下が続いていましたが、第4四半期はこれらの解除により急上昇しました。

2022年になり再び新型コロナウイルス感染症が拡大したことから、第1四半期は再び低下しています。その後行動制限が解除となり、続く第2四半期は上昇、第1四半期の低下分をカバーするまでには至らないものの、かなり回復しました。

フード・ビジネス・インデックス季節調整値の推移(四半期)


出典:飲食関連産業の動向(FBI 2022年上期)

飲食店・飲食サービスの回復

続いて、2022年第2四半期のFBI上昇に最も大きく影響した飲食店・飲食サービス業の内訳の動きをみていきます。

飲食店・飲食サービス業 内訳系列の推移


出典:飲食関連産業の動向(FBI 2022年上期)

「食堂・レストラン・専門店」「喫茶店、パブレストラン・居酒屋」については、2022年に入り再び感染症拡大の影響で第1四半期は大幅に低下したものの、行動制限の解除により第2四半期は揃って上昇に転じました。
なかでも、「食堂・レストラン・専門店」は、指数値84.7とコロナ禍で最低水準となった2020年第2四半期以降で最も高い水準となりました。2020年以降は、感染症が再び拡大しても、低下の幅が少しずつ小さくなり緩やかな回復への兆しが見えています。

「パブレストラン・居酒屋」は、第2四半期上昇に転じたものの低い水準に留まっており、低調が続いているようです。飲食サービス業の中でも、持ち帰りや配達飲食サービス業は、2021年第4四半期からわずかながら上昇が続いています。

飲食店・飲食サービス業の伸び率に対する各系列の影響度合い

「飲食店・飲食サービス業」の伸び率に対する、内訳系列の影響度合い(寄与度)をみると、第2四半期の前期に対し、最も影響が大きかったのは「食堂・レストラン・専門店」で、大きく上昇に寄与しました。「食堂・レストラン・専門店」の動向が、2022年第2四半期のFBIの動きに大きく影響したことがうかがえます。


出典:飲食関連産業の動向(FBI 2022年上期)

 

飲食サービスは緩やかな回復へ:まとめ

2022年第2四半期のフード・ビジネス・インデックスの動きから、業態によって差があるものの低調が続いていた「飲食店・飲食サービス業」は緩やかな回復傾向にあることがわかりました。
今後も、原材料価格の高騰や人手不足、生活習慣の変化など、フード・ビジネスを取り巻く厳しい環境が続くことが予想されますが、2023年3月から中国人観光客の水際対策の緩和が発表されたり、5月から新型コロナの感染症について、今の「2類相当」から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針が発表されるなど、明るい兆しも見えています。

今後もフード・ビジネス・インデックスの動きを注視しながら、経済復興に備えていきましょう。

経済産業省:飲食関連産業の動向(FBI 2022年上期)(https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/archive/kako/20221024_1.html)を加工して作成

最新記事

カテゴリー