飲食店お役立ちコラム

2021.10.8

経営

【変わる飲酒習慣】ノンアルコールが注目の的に!

変わる飲酒習慣

コロナ禍の影響で、特に酒類を提供している飲食店への大きな打撃は今も続いています。緊急事態宣言が発出される度に、飲食店に対し酒類の提供停止が要請されてきました。

そんな中、家庭や外食においてノンアルコールが注目されています。今回はコロナ禍を機に、変わる飲酒習慣について、考えていきたいと思います。

変わる飲酒習慣:背景

実はコロナ感染拡大前から居酒屋等の活動状況を示す「パブレストラン、居酒屋」指数は、減り始めていました。

「パブレストラン,居酒屋」指数

その原因としては、人口減少など様々な要因が考えられますが、その他に、若者のアルコール離れや、健康志向の高まりから飲酒をやめるなど、飲酒習慣の変化が考えられます。

飲酒習慣を持つ人の割合

上図、世代ごとに飲酒習慣を持つ人の割合を見ると、40代から60代の世代でその割合が高く、各世代とも3割弱。また、40代以上の世代は、若い時から飲酒習慣の割合が高く、40代の人の飲酒習慣の割合は25.2%ですが、20代だった頃の割合は20.3%となっています。

現在、20代の人の飲酒習慣の割合は7.8%。40代以上と比べると飲酒習慣の割合がかなり低く、若い世代は、飲酒回数や飲酒量が少なくなっていることがわかります。このように、年々、飲酒習慣が少なくなってきていることも国内市場の縮小に影響していると考えられています。

変わる飲酒習慣:ノンアルコール飲料

これらの背景を受け、ここ数年の間にノンアルコール飲料が注目されはじめました。大手メーカーも次々とノンアルコールビール等を発売、味についてもビールと遜色ないほどにレベルが高くなっています。

コロナ禍を機に、ノンアルコール飲料の存在、おいしさなどに気づいた人も増え、ノンアルコール飲料は、飲めないときの代替品としてだけでなく、味の進化や飲用シーンの拡大と共に定着してきています。

変わる飲酒習慣:ノンアルコール飲料とは

ノンアルコール飲料とは、アルコール度数0.00%で、味わいが酒類に類似しているもの。

酒税法において酒類とは、アルコール分1度以上の飲料をいいます。(酒税法第2条より)
アルコール分とは、温度15度の時において原容量百分中に含有するエチルアルコールの容量をいうとされており、それは「度」または「%」と表示します。したがって、30度あるいは30%と表示されたお酒はどちらも100ml中に30mlのアルコール分があるということになります。

飲酒運転と判断される基準値は、呼気中アルコール濃度0.15mg/Lで、血中アルコール濃度は0.3mg/mL。これはビール中ビン1本、日本酒1合などを飲んだ時に検出される量です。

最近、人気の微アルコール飲料は、アルコール度数を1度(1パーセント)以下に抑えたものを指すようですが、アルコールが0ではないため、たとえば1%の微アルコール飲料を2リットル以上など、飲み過ぎれば飲酒運転に相当する可能性もあるわけです。
微アルコールの場合は、安心感もあり、逆に飲み過ぎてしまうことも考えられますので、ノンアルコール飲料よりも注意が必要ですね。

変わる飲酒習慣:飲食店の対応

緊急事態宣言が繰り返され、飲食店の酒類提供中止が求められてきました。飲食店では、少しでも売り上げを確保しようと、酒類の代わりにノンアルコールビール・ノンアルコールワインなどのメニュー開発に力を入れる動きが活発になっています。中には「ノンアル専門バー」も登場したとのこと。

今後、コロナウィルスの感染拡大が収束したとしても、アルコール離れは進んでいく事が予想されますので、その場合の対策を考えておく必要がありそうです。

胃が空の状態でお酒を飲むと、アルコールの吸収が速く酔いやすくなるため、まずノンアルコールビールをお勧めして食事が進んだ段階でアルコールを飲んでいただく、またアルコールの吸収速度を遅くするおつまみなど、「お客様の健康に配慮するお店」をウリにしても良いかもしれません。
また、これまでビジネスマンなどの利用が中心だった居酒屋でも、ノンアルコールに移行していくことで、ファミリー層もターゲットにすることができます。

変わる飲酒習慣:まとめ

コロナ禍以前から、減り続けてきた飲酒習慣。コロナ禍は、その対策を進めるきっかけになったようです。
ノンアルコール市場は着実に伸びていくものと思われます。ノンアルコール飲料を含め新しいメニューを開発するなど、コロナ禍の経験を新しいサービスの提供を考えるきっかけとしてプラスに変えていきたいですね。

経済産業省:縮小傾向の国内酒類市場;飲酒習慣が市場変化の要因に(https://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/hitokoto_kako/20210906hitokoto.html)を加工して作成

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