2023.06.5
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【面的地域価値の向上・消費創出事業】地域の「稼ぐ力」の向上に
「面的地域価値の向上・消費創出事業」とは、足元の円安メリットを活かしたインバウンドの回復等が期待される中、商店街等が自らの魅力・地域資源等を用いて実施する滞留・交流空間整備や消費創出事業等を支援するものです。
この記事では、面的地域価値の向上・消費創出事業について、事業実施前の準備を中心に紹介していきます。
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面的地域価値の向上・消費創出事業について
コロナ禍による来街者ニーズの多様化に加え、インバウンドの回復が始まりました。しかし現在のインバウンドは、有名な観光地だけではなく、あまり知られていない地域や穴場スポットなどのローカルエリアへ足を運ぶというアンダーツーリズムが注目されています。
地域の規模は関係なく、どれだけ独自の魅力を発信できるかであり、地域の商店街にとっても、新しいインバウンドの回復は絶好のチャンスです。
面的地域価値の向上・消費創出事業では、最大3,000万円の補助額が用意されており、事業終了後1年で、売上が増加した商店街等の割合が80%以上になることを目指します。
それには、ブランディング、情報発信強化、店舗等の機能転換などを行う必要があり、商店街だけの力では難しいため、地域活性化等の知見を有する専門家が伴走し、事業実施中における定期的な効果測定及びそれに基づくアドバイス等を重ねることで、地域の面的な「稼ぐ力」の向上に繋げます。
面的地域価値の向上・消費創出事業の基本スキーム
補助事業者に対し、各経済産業局から直接補助がなされます。
補助対象事業 |
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補助率 | 2/3 |
補助額 | 上限:3,000万円 / 下限:200万円 補助対象事業1~3の合計額 |
面的地域価値の向上・消費創出事業の補助対象者
補助対象者は、商店街等組織・民間事業者等です。民間事業者等が申請主体となる場合は、商店街等組織との連名で申請します。
【参考】補助対象者
■法人格を有する商店街等の組織
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商店街等を構成する団体であって、商店街振興組合、商店街振興組合連合会、事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会及び中小企業団体の組織に関する法律第9条ただし書きに規定する商店街組合又はこれを会員とする商工組合連合会において法人格を有する組織
代表例=商店街振興組合(連合会含む)事業協同組合、事業協同組合連合会、商工組合、商工組合連合会、生活衛生同業組合
■法人格を持たない商店街等の組織
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法人化されていない商店街等を構成する任意の団体であって、規約等により代表者の定めがあり、財産の管理等を適正に行うことができるもの
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商店街等において、まちづくりや商業活性化の担い手としての活動実績を有している組織
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設立して1年以上経過している組織。または、設立1年未満であってもそれと同等の前身組織が存在する組織
代表例=任意の商店会、温泉街、飲食店街
■法人格を有する民間事業者
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法人格を有する中小企業基本法第2条第1項に定義する中小企業等(みなし大企業は除く)であって定款等により代表者の定めがあり、財産の管理等を適切に行うことができるもの
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商店街等において、まちづくりや商業活性化の担い手としての活動実績を有している組織
代表例=まちづくり会社、観光地域づくり法人(DMO)、合同会社、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、NPO法人
■法人格を持たない民間事業者
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法人化されていない任意の組織であって、規約等により代表者の定めがあり、財産の管理等を適切に行うことができるもの
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商店街等において、まちづくりや商業活性化の担い手としての活動実績を有している組織
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設立して1年以上経過している組織。または、設立1年未満であってもそれと同等の前身組織が存在する組織
代表例=まちづくり協議会、実行委員会
■支援機関
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商工会法(昭和35年法律第89号)に規定する商工会、商工会議所法(昭和28年法律第143号)に規定する商工会議所、及びそれらの連合組織
代表例=商工会、商工会議所及びそれらの連合組織
面的地域価値の向上・消費創出事業:専門家による面的伴走支援
地域の稼ぐ力の向上に向け、地域活性化等の知見を有する専門家が面的に伴走(助言等)するために必要な経費(謝金・旅費等)を支援します。
専門家の例
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中小企業アドバイザー(中心市街地活性化)(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
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中小企業診断士等(士業)
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経営指導員(商工会・商工会議所)
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金融機関に在籍する者のうち、有資格者もしくはまちづくり・商業活性化に関する支援実績を有する者
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民間事業者に在籍する者のうち、まちづくりや商業活性化に関する支援実績を有する者
面的伴走支援のイメージ
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消費創出事業等に係る実施状況を把握し、次回実施に向けた改善・助言を申請者等に対して行う。
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商店街内の各個店を定期的に回り、事業効果等の把握を行う。
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個店からの要望等に応じて、適宜、経営アドバイス等を行う。
※事業計画作成段階における専門家の伴走支援(助言等)は補助対象経費に含まれません。
面的地域価値の向上・消費創出事業:滞留交流空間整備
域外(インバウンド含む)から新たな需要を取り込むために実施する、地域資源等を活かした消費創出事業や同事業の効果を高める滞留・交流空間整備を支援します。
消費創出事業については、一過性・一時的な取組ではなく、事業期間内に複数回又は長期的に実施される計画とし、都度、専門家による評価等を踏まえ事業改善が図られる内容にすることが必要です。滞留・交流空間整備事業のみの申請は認められず、必ず消費創出事業と連携した整備事業とします。
令和5年6月16日まで、令和4年度第2次補正予算「面的地域価値の向上・消費創出事業」の二次募集が行われていますが、今後も商業活性化施策は積極的に行われることが予測されます。
詳しくは中小企業庁ウェブサイトをご確認ください。
https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/2023/230501menteki.html
【面的地域価値の向上・消費創出事業】地域の「稼ぐ力」の向上に:まとめ
今回のインバウンド回復においては、有名な観光地だけでなく、各地域や穴場スポットなどのローカルエリアでの体験が注目されています。
面的地域価値の向上・消費創出事業は、商店街を含めた地域の発展を目指す絶好の機会です。 特に、日本の食文化は世界的に高い評価を受けており、飲食店は集客の中心となることが見込めます。
専門家の力を借りて地域の価値を向上させ、海外を含め広く発信することで、永続的なインバウンド効果が期待できるでしょう。
経済産業省:面的地域価値の向上・消費創出事業(https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/2023/230501menteki_gaiyo.pdf)を加工して作成