飲食店お役立ちコラム

2022.05.9

集客

【野菜を外食でも】飲食店も積極的な発信を

野菜を外食でも

国の健康政策として行われている「健康日本21(第二次)」では、生活習慣病などを予防し、健康な生活を維持するための目標値の一つに野菜類を1日350g以上食べる目標が掲げられています。しかし野菜は「健康に良い」ことは知っていても、十分に食べている人は少ないのではないでしょうか。

この記事では、野菜を外食でも摂取してもらうために、飲食店ができることを考えていきます。

【野菜を外食でも】野菜摂取量の状況

野菜不足が起こす問題とは

野菜は、ビタミンやミネラル・食物繊維を多く含み、多くの研究で野菜を多く食べる人は脳卒中や心臓病、またある種のがんにかかる確率が低いという結果が出ています。

野菜に含まれるビタミンは、ごはんなどに含まれる炭水化物が体内でエネルギーに変わる手助けをしてくれます。摂取した栄養素が体内で利用されるためには、ビタミン類(特にB群)を不足なくとることが必要。ミネラルは、身体機能の維持・調整に不可欠で、特に野菜に多く含まれるカリウムは、余分なナトリウム(食塩)を体外に排泄するのを手助けし、高血圧の予防にもなります。

一方、野菜不足が原因で引き起こされる症状としては、便秘、肌荒れ、肩こりやイライラなど体にさまざまな不調をもたらすだけでなく、生活習慣病のリスクが高まります。国立がん研究センターがん情報サービスサイトには、

これまでの研究から、「塩分のとりすぎ」「野菜や果物をとらない」「熱すぎる飲み物や食べ物をとること」が、がんの原因になるということが明らかになっています。

と示されています。
引用:「国立がん研究センターがん情報サービス」(https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html)

サプリメントや栄養補助食品でビタミンや食物繊維を補給している人も多いようですが、補助食品では、食べ物が含有する多様な栄養素とその相互作用までを、体内にとり入れることはできません

外食の利用状況

令和元年国民健康・栄養調査結果によると、野菜摂取量の平均値は 280.5gであり、男性 288.3g、女性 273.6g。健康な生活を維持するための目標値には達しておらず、年齢階級別にみると、男女ともに20~40歳代で少なくなっています。また、外食を週1回以上利用している人の割合は、男性 41.6%、女性 26.7%であり、若い世代ほどその割合が高いという結果でした。

外食を利用している頻度(20歳以上)

外食を利用している頻度

出典:令和元年国民健康・栄養調査結果の概要(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf)

外食での野菜のとり方

令和元年の調査結果(令和2年・3年はコロナ禍の影響で調査中止)では、食習慣改善の意思別、健康な食習慣の妨げとなる点について、仕事が忙しくて時間がない、外食が多い、自分を含め、家で用意する者がいないなどの理由が挙げられました。

個々の生活背景の違いによって食生活も多様化し、外食は食生活に欠かせないものになっています。
生活習慣病の予防のためには、脂肪や食塩の多い食事を控え、主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事をとることが大切ですが、外食の利用頻度が高い人は、主食・主菜・副菜のそろう頻度が低い傾向にあるといいます。

そこで、厚生労働省のe-ヘルスネットでは、日常的に外食をする場合、料理の選び方にも配慮が必要として、以下のように提言しています。

e-ヘルスネット 料理の選び方

ファミリーレストラン

24時間営業の店舗もあり価格も手ごろで気軽に利用できますが、豊富なメニューの中から、ついつい脂質や食塩の多い料理を選び、野菜も不足しがちです。最近はサイズの小さなメニューや、ヘルシーメニューも登場していますので、それらを組み合わせて上手に料理を選ぶと良いでしょう。

ファストフード店

ハンバーガーや牛丼・回転すし・立ち食いそばなどは、「安い」「早い」「ボリュームあり」が魅力ですが、その反面、主食と主菜に偏った食事になりがちです。副菜として、サイドメニューにあるサラダや小鉢を一緒に食べると、メインメニュー単品ではとりきれなかった野菜類をとることができます

専門店

定番の和食、洋食、中華料理、イタリア料理などに加え、近年では様々なジャンルの料理や特徴をもつ専門店が増え、外食を選ぶ楽しみの1つとなっています。ランチでは、主食・主菜に偏らないよう、野菜のサラダや小鉢の付いたセットメニューを選びましょう。また、大人数で利用するときは、いろいろな種類の料理を注文し、主食・主菜・副菜がそろうように分け合うのもおすすめのひと工夫です。

専居酒屋

近年、安くておいしい居酒屋も増えています。おつまみには、刺身や唐揚げ・焼き鳥などといったメニューだけでなく、野菜の煮物やサラダなどを選ぶのがおすすめです。

【野菜を外食でも】飲食店も積極的な発信を:まとめ

現在は健康意識が高い人も増えており、特に日常的に外食をする人は、飲食店のメニューが気になるようです。
Googleサジェストでニーズを調べてみると、「野菜 たくさん食べられる店」「野菜不足 解消 外食」「ひとり 野菜 外食」「朝食 野菜 外側」が表示され、外食でも野菜を取りたいと思っている人がいることがわかります。
自分で野菜料理を作るより、やはりプロが作った料理のほうが美味しく、たくさん野菜を食べることができます。外食をあまりしないという人も、「野菜料理の美味しい店」という評判があれば、行ってみたくなるでしょう。

ファミリーレストランやファストフードなどのチェーン店では、料理に含まれる栄養成分をメニューやリーフレット、ホームページなどで知ることができる店が増えています。
その他、店内でも、野菜の一皿メニューをテーブル毎にPOPで表示したり、食事中でも「あと1品野菜をとりたい」と思った時に、すぐに注文できるようセルフオーダーシステムを導入するなど、「外食でも野菜を取りたい人」のニーズに応える発信ができそうです。

今後の飲食店は、国民の健康を促進するという社会的役割を念頭にメニューを考えることが、「お客さまのニーズに応える」こととなっていくのかもしれません。

農林水産省:みんなの食育(https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics2_04.html)
厚生労働省:e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-03-005.html)から抜粋・加工して作成

最新記事

カテゴリー