2021.09.24
経営
小規模飲食店が活用できる持続化補助金【 低感染リスク型ビジネス枠 】
政府は、事業者が新型コロナウイルス対策と事業継続を両立することができるように、様々な施策を講じています。その中で、小規模な飲食店がぜひ活用したいのが持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」です。
「小規模事業者持続化補助金」とは、新型コロナウイルス対策として、人との接触を減少するため積極的に投資を行い、ポストコロナを見据えた新たなサービスの導入などを支援する小規模事業者に対し、それに要する経費の一部を補助するものです。
そのうち、小規模事業者持続化補助金には、「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」がありますが、小規模な飲食店におすすめなのが「低感染リスク型ビジネス枠」。
今回は、持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」の支援内容や申請手順等を解説していきたいと思います。
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持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」とは?
当コラムで紹介した、飲食店も使える!話題の「事業再構築補助金」とは?は、補助額が大きい分、中小企業〜中堅企業向けでしたが、今回紹介する「小規模事業者持続化補助金」は、名前の通り個人や小規模な店舗向けであり、事業再構築補助金に比べると申請しやすい補助金です。
持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」の補助額
補助率は3/4、補助上限額は100万円です。
機械装置の導入等に必要な経費の一部を補助します。感染防止対策に必要な経費も、補助金総額の1/4(最大25万円)を上限※に補助対象にできます。
なお、上乗せして補助されるものではありません。
また、2021年1月8日以降に発注、支払い、使用した経費も補助対象にできます。
※緊急事態措置に伴う特別措置
緊急事態措置に伴う飲食店時短営業又は外出自粛等の影響を受け、その影響の原因となった緊急事態措置が実施された月のうち、いずれかの月の売上高が2019年又は2020年同月比30%以上減少した事業者については、感染防止対策費の上限を補助金総額の1/2(最大50万円)まで引き上げることができます。
持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」の対象者
1. 以下の小規模事業者と要件を満たす特定非営利活動法人
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 常時使用する従業員の数 5人以下 |
宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数 20人以下 |
※ 常時使用する従業員には、会社役員や個人事業主本人、一定条件を満たすパートタイム労働者は含みません。
2. 以下の要件を満たす事業者
- 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
- 直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
- 申請時に虚偽の内容を提出した者ではないこと
- 反社会的勢力排除に関する誓約事項に記載された内容に該当しない者であり、補助事業の
実施期間内・補助事業完了後も該当しないことを誓約すること - 過去に持続化補助金の一般型、コロナ特別対応型、低感染リスク型ビジネス枠で採択されて
いないこと
持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」の対象となる取り組み
感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させるポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する取組が対象です。
飲食店の取り組み:例
- 大部屋を個室にするための間仕切りの設置を行い、予約制とするシステムを導入
- カフェテーブル席の個室化のための店舗改装
- 料理をテイクアウト可能にするための商品を開発
- セルフオーダーシステムによる非対面型接客プロセスの実現
※小規模事業者持続化補助金WEBサイト(https://www.jizokuka-post-corona.jp/)採択者一覧参照
持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」の対象となる経費
機械装置等費 | 製造装置や移動販売車両、ITツールの購入等 |
広報費 | 新サービスを紹介するチラシやネット広告の作成・配布 |
展示会等出展費 | 展示会・商談会の出展料等(オンライン開催のものに限る) |
開発費 | 新商品・システムの試作開発費等(販売商品の原材料費は対象外) |
資料購入費 | 補助事業に関連する資料・図書等 |
雑役務費 | 補助事業のために雇用したアルバイト・派遣社員費用 |
借料 | 機器・設備のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの) |
専門家謝金 | 指導を受けた専門家への謝金 |
設備処分費 | 新サービスを行うためのスペース確保を目的とした設備処分等 |
委託費・外注費 | 店舗改装など自社では実施困難な業務を第3者に依頼(契約必須) |
感染防止対策費※ | 業種別ガイドラインに基づく感染防止対策(アクリル板設置等) |
※感染防止対策費について
申請者の業態に該当する「業種別ガイドライン」に沿って実施する感染防止対策に要する経費。
上記項目を見ると、どの飲食店でも取り組み可能であり、すでに取り組みを行っている場合も多いのではないでしょうか。
飲食店が活用できる持続化補助金【低感染リスク型ビジネス枠】:まとめ
一般的に、補助金や助成金は事業期間中に支払った経費のうち、補助対象となっている特定の経費について、事業終了後の確定検査を経て補助されます。
小規模事業者持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」のウェブサイト(https://www.jizokuka-post-corona.jp/)では、申請資料がダウンロードできたり、詳しい申請方法が紹介されていますが、計画書の作成が必要ですので、地域の商工会・商工会議所と相談し、助言・指導を得ながら進めると良いでしょう。
「低感染リスク型ビジネス枠」については、すでに3回目の受付は終わっていますが、まだまだ公募が残っています。
- 第4回受付締切:2021年11月10日(水)
- 第5回受付締切:2022年1月12日(水)
- 第6回受付締切:2022年3月9日(水)
飲食店を経営されている方は、持続化補助金「低感染リスク型ビジネス枠」の申請にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。