飲食店お役立ちコラム

2023.09.4

食料・食品

【地産地消】飲食店×生産者の地域活性化

地産地消

地産地消は、地域の生産者と消費者を結び付け、食料自給率の向上を図る上で重要です。近年では、生産者と飲食店のコラボ事例も多くみられ、国産農林水産物の消費拡大を推進していくことが期待されています。 この記事では、飲食店が地産地消に取り組む場合のメリットや注意点について紹介します。

地産地消とは

地産地消とは、国内の地域で生産された農林水産物を、その地域内において消費する取組です。食料自給率の向上に加え、直売所や加工の取組などを通じて、6次産業化にもつながります。 地域の飲食店で使用すれば、食材の安全性や新鮮さの確保を図ることができます。

地産地消の重要性

世界的な人口増加等による食料需要の増大、気候変動による生産減少など、国内外の様々な要因によって食料供給に影響を及ぼす可能性があり、食料安全保障の観点からも、地産地消の推進と国産農産物の消費拡大が重要となっています。

農林水産省では、地産地消の取組を一層促進するため、地産地消や国産農林水産物の消費拡大に資する地域の創意工夫ある取組の表彰を行うほか、地域資源を活用した新商品の開発等を進める地域ぐるみの6次産業化としての直売所の売上げ向上に向けた取組や施設整備への支援を行っています。

地産地消の地域への経済効果とは

雇用機会の拡大

地産地消により地元の生産者や加工業者の需要が増加することで、地域住民の雇用が促進されるため、地域全体の活性化につながります。

地域特産品の価値向上

地元食材が地域内で使用されることで、その特産品の価値が高まり、地域ブランドの構築や観光資源としての活用が期待されます。

食文化の継承

地産地消は伝統的な食文化を守り、次世代に継承する手助けとなります。地域独自の料理や食材が尊重され、地域のアイデンティティを保つことができます。

飲食店が地産地消を取り入れるメリット

新鮮な食材の提供

地産地消を採用することで、収穫したての新鮮な旬の食材を調達できます。1つの箱に多く詰めこまれ、長時間輸送されることがないため、食材の傷みも少なくなります。

地域との連携強化

地元農産物や水産物の使用は、地域との連携を強化し、農業や漁業の支援にもなります。地域コミュニティとの協力関係が築かれることで、飲食店は地域社会への貢献を実感できます。

食材の安全性確保

自家栽培や地元の生産者からの仕入れは、食材の安全性や品質管理を容易にします。食材の原産地を把握できるため、食材の追跡がしやすくなります。

地域内での収入循環

地産地消は地元農産業や漁業を支援することにつながります。飲食店が食材を地元の生産者から購入することで、地域内での収入循環が促進されます。

飲食店が地産地消を取り入れる際の注意点

供給の不安定さ

地産地消では気候や生産量の変動により、食材の供給が安定しないことがあります。これに対処するための適切な予備計画が必要です。

多様性の制約

地域内で生産される食材には限りがあるため、多様なメニューを提供することが難しい場合があります。飲食店はクリエイティブな方法で地元食材を工夫して活用する必要があります。

生産者との契約

まず、必要な食材を生産している農家などを探す労力がかかり、仕入れ量や価格の調整、自店までの配送などを取り決める必要があります。小規模な飲食店は生産者との直接契約が難しい場合もあるでしょう。

卸売業者であれば、プロにより食材が選定されているため仕入れやすい分、仲介料などのコストはかかりますが、初めて地産地消の食材を取り扱うという飲食店や小規模店舗なら、少ないリスクで始めることができます。まず卸売市場などで地元の食材を調達しながら、生産者との直接契約に進むのも良いかもしれません。

【地産地消】飲食店×生産者の地域活性化:まとめ

地産地消は飲食店や生産者だけでなく、地域経済や消費者にとっても多くのメリットをもたらし、日本全体に拡がることで食料自給率の向上が期待できる重要な取り組みです。一方で、供給の面での課題も考慮しながら、地域資源を活用する方法を模索することが求められるでしょう。

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