飲食店お役立ちコラム

2022.05.30

経営

【外国人材を活用】飲食店の取り組み事例

外国人材を活用

日本フードサービス協会「外食産業市場動向調査」によると、外食産業の2022年4月度売り上げ状況は、前年同月比13.5%増となりました。少しづつ回復の兆しが見えている中、あらためて人材不足が浮き彫りになっています。

チェーン展開する飲食店あれば、キッチン・ホールスタッフだけでなくマネジメントのできる人材も必要。そこで、この記事では優秀な人材を確保するため、外国人材雇用の取り組みを始めた飲食店の例を紹介します。

外国人材の活用事例

経済産業省の中小企業向け補助金・総合支援サイト「ミラサポplus」より人材不足を解決した例をピックアップしました。

回転寿司店:外国人材の活用

課題

日本人の採用応募が減少し、人手が不足する中で外国人のお客様が急増したが、対応できる社員が不足。国内のお客様はもちろん、外国人のお客様に対するサービス向上、維持のためにも人材確保が必要でした。

外国人材採用のきっかけ

店舗では既に留学生のアルバイトが働いていて、外国人が職場で活躍できることを確信していたこと、外国人からの採用の応募があったこと、また、今後も飲食業界の人手不足は続くと考え、社長が「外国人の採用強化」を決意しました。

外国人材雇用の取組内容

2017年に韓国で開催された合同説明会をきっかけに、国内・外で開催されるイベントに積極的に参加。マッチングイベントでは、自社の魅力を発信し、共感する人材を発掘

採用が決定した後は、ビザ取得を始め各種必要な書類の作成等の支援や生活に必要な手続き等の支援を行い、自社の教育機関で日本人の同期と一緒に、社員として必要な基礎を一から学べる体制づくりを行っています。

採用後に早期離職する外国人について理由を分析。人材と自社のニーズの相違を把握し、採用基準を見直し会社の採用力の向上に取り組みました。

外国人材雇用の効果

外国語での接客や外国語のメニューを作成するなど、サービス向上が図られました。 外国人の教育に必要なポイントが分かるようになり、日本人にも活用できることから新人教育の手法を見直し、育成力が向上。また、求職者と会社の採用ミスマッチが軽減され、採用後に早期離職する外国人が減少しました。

飲食フランチャイズチェーン:高度外国人材の活用

課題

複数ブランドの飲食店のフランチャイズチェーン展開を行うこの企業では、将来の店長や管理者など、店舗マネジメントを担う人材確保に苦慮していました。

外国人材採用のきっかけ

日本人では、将来の店舗運営を担う人材の確保が難しいと感じ、外国人雇用に取り組むために、新たに創設された在留資格「特定技能」での外国人雇用を模索。地域の中小企業団体中央会から「高度外国人材」の雇用支援事業の説明を受け、飲食業の現場にて高度外国人材雇用の可能性を感じ、取り組むこととしました。

高度外国人材雇用の取組内容

令和元年12月に「集団マッチング会」に参加し、この企業に興味を持つベトナムの高度人材とマッチングを図り、2名の高度人材の採用を内定。マッチングの前に、ベトナムの職業紹介機関によるコンサルティングを受け、求める人材像に適する高度人材の紹介を受けました。

2名の高度外国人材の雇用に向けて、職業紹介機関から人材紹介のみならず、在留資格の申請や人材のメンタル面のフォローなど、様々なきめ細かい支援を受け、飲食店の現場業務だけでなく「将来の管理者として育成」という面から高度人材の在留資格にて雇用が実現しました。

2名の高度外国人材は、それぞれ飲食店の現場で店舗オペレーション等を、職場で実際の業務に取り組みながら行う方法で学び、当社所定の外部研修を積極的に受講、将来の店長やエリアマネージャーといった管理者への育成を続けています。

高度外国人材雇用の効果

雇用した2名の高度外国人材は、飲食店での業務に高い意欲を持って励み、日本語能力はN2(いちばん難しいレベルがN1)にて既存社員との意思疎通に、大きな支障は生じていません。

若くて明るい性格の2名の外国人材が入社し、社内全体がさらに活気づき国籍を越えて一致協力しようというムードとなり、さらなる高度外国人材雇用を増やす意向とのことです。

高度人材ポイント制

日本の経済成長等に貢献することが期待されている高度な能力や資質を持つ外国人が対象。「高度学術研究活動」「高度専門・技術活動」「高度経営・管理活動」の3つの活動類型を設定し、それぞれの活動の特性に応じて「学歴」「職歴」「年収」といった項目ごとにポイントを設け、その合計が70点以上に達した外国人が「高度外国人材」と認定され、出入国在留管理上の優遇措置を受けることができます。

高度人材は原則、在留10年以上で永住権取得が可能。資格によっては最短1年で永住許可の対象になります。国は、2022年末までに40,000人の高度外国人材の認定を目指しています。

【外国人材を活用】飲食店の取り組み事例:まとめ

外食産業に少しづつ回復の兆しが見えている中、コロナ禍以前から問題となっていた人材不足があらためて浮き彫りになっています。 ホールスタッフの補助として、セルフオーダーシステムQRコード POSレジ連携システムなどを利用するのも効果的ですが、もうひとつ、多言語切り替え機能を備えたシステムが役に立ちます。優秀な外国人スタッフでも、完璧に日本語を習得するのは難しいため、こういった設備を店舗に備えていれば外国人材の採用にも有利です。

これから復活すると予想されるインバウンドに対応するためにも、ITツールと外国人材を積極的に活用し、準備を進めていきましょう。

経済産業省:ミラサポplus(https://jirei-navi.mirasapo-plus.go.jp/)より抜粋・加工して作成

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