2021.04.2
経営
【飲食店の感染対策】コロナ禍で事業を継続するために

感染対策に取り組みながら営業している飲食店および、食材を提供する農林漁業者を支援するため、昨年スタートしたGo To Eatキャンペーン。現在はどのようになっているでしょうか。
令和3年3月29日時点の農水省「Go To Eatキャンペーン事業について」のTopicでは、10都道府県において感染拡大防止に向け対象地域の酒類提供を行う飲食店などに対し、営業時間短縮等の要請が出されているため、Go To Eatキャンペーンは、これらの要請に沿って運用するとの告知が掲載されていました。
「Go To Eatに参加する飲⾷店が守るべき感染症対策」では、既に仕様書上飲⾷店が登録する際に「ガイドラインに基づき感染予防対策に取り組んでいることを条件とし、取組内容を店頭掲⽰すること」とされています。
※ 出典:農林水産省「GoToEatに参加する飲⾷店が守るべき感染症対策」
ほとんどの飲食店様が、すでに感染対策をされていると思いますが、改めて飲食店の感染対策について確認してみたいと思います。
飲食店の事業継続のためのガイドラインとは
農林水産省所管の関係団体等が作成する業種別ガイドライン
令和2年5月4日の新型コロナウイルス感染症政府対策本部において改訂された新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針等に基づき、農林水産省所管の関係団体等が自主的な感染防止の取組を進めるために作成した業種別ガイドラインの中で、日本フードサービス協会が「飲食店の事業継続のためのガイドライン」を公表しており、これは、お客様や従業員、店舗の衛生管理など飲食店の業務内容に基づいた対策のガイドラインとなっています。
農林水産省「GoToEatに参加する飲⾷店が守るべき感染症対策」
農林水産省所管の関係団体等が作成する業種別ガイドラインについて
このガイドラインの中で、特に客席へのご案内時、テーブルサービスとカウンターサービス時、会計処理時の注意の3つをピックアップして紹介します。
飲食店の感染対策:1. 客席へのご案内時の注意
以下の4項目が、客席へのご案内時に注意するべきガイドラインです。
テーブルの間は、飛沫感染予防のためパーティションで区切るか、出来るだけ1m以上の間隔をあけて座れるように配置を工夫する。カウンター席は密着しないように適度なスペースをあけるか、カウンターテーブルに隣り席とのパーティション(アクリル板等)を設置するなどし、横並びで座る人に飛沫が飛ばないよう配慮する。
テーブル席は、真正面の配置を避けるか、または区切りのパーティション(アクリル板)を設けるなど工夫する。
少人数の家族、介助者が同席する高齢者・乳幼児・障碍者等が同席する場合で、前述の対応を行わない場合にあっても、他グループとの相席は避ける。
グループ間の安全を確保するために、他グループとはできるだけ1m以上の間隔をあけ、店舗内のスペースや構造上、物理的に間隔をあけた席の配置が難しい場合は、パーティションの設置や、スペースに余裕がある場合は斜めで着席するなど工夫する。
※ 出典:一般社団法人 日本フードサービス協会:飲食店の事業継続のためのガイドライン
店舗の状況によって、パーティションの種類もそれぞれになると思いますが、今では多種多様な商品が数多く販売されています。飲食店に限らず、新しい生活様式としてパーティションは当たり前になってきましたね。
飲食店の感染対策:2. テーブルサービスとカウンターサービス時の注意
以下の9項目が、注文を受ける・料理を提供する等のテーブルサービス時、近い距離で接客するカウンターサービス時に注意するべきガイドラインです。
テーブルサービスで注文を受けるときは、お客様の側面に立ち、可能な範囲で間隔を保つ。
お客様が入れ替わる都度、テーブル・カウンターを消毒する。
カウンターサービスは、可能な範囲で従業員とカウンター席との間隔を保つ。
カウンターで注文を受けるときはお客様の正面に立たないように注意する。
カウンターでは、お客様と従業員の会話を想定し、従業員のマスク着用のほか、仕切りの設置などを工夫する。
料理は大皿盛りを避けて、個々に提供する。鍋料理や盛り合わせ料理などを提供する場合は、従業員等が取り分けるなど工夫する。
スプーン・箸などの食器の共有、使いまわしは避けるよう、掲示などにより注意喚起する。
お客様同士のおしゃく、グラスやお猪口の回し飲み、大声での会話は避けるよう、業態に応じ掲示等により注意喚起する。
個室を使用する場合は、十分な換気を行う。
※ 出典:一般社団法人 日本フードサービス協会:飲食店の事業継続のためのガイドライン
ここでは、注文を受けるときのお客様と従業員の会話について注意喚起されています。注文を受けるときにマスクをしていると、お客様の声がなかなか聞き取れずに、注文を間違えてしまうことも考えられますね。
対策としてセルフオーダーシステムを導入するのもひとつの方法です。最近はお客様のスマートフォンでQRコードを読み込みメニューを表示、注文ができるモバイルオーダーも利用できますので、オーダーミスを減らすことが可能です。
飲食店の感染対策:3. 会計処理時の注意
以下の3項目が、券売機、レジ周りなど会計処理時に注意するべきガイドラインです。
食券を販売している店舗は、券売機を定期的に消毒する。
会計処理にあたる場合は、可能であれば電子マネーなどの非接触型決済を導入する。現金、クレジットカード等の受け渡しが発生する場合には、手渡しで受け取らず、コイントレイ(キャッシュトレイ)などを使用する。また、コイントレイは定期的に消毒する、会計の都度手指を消毒するなど工夫する。
飛沫を防止するために、レジとお客様の間にアクリル板等の仕切りを設置するなど工夫する。
※ 出典:一般社団法人 日本フードサービス協会:飲食店の事業継続のためのガイドライン
ここでは会計処理時の注意喚起ですが、ガイドラインではその他に店舗の衛生管理時の注意として、「従業員は、店内の一箇所にお客様が集まらないように留意する。」という項目があります。混雑時の会計処理は、お客様が一ヶ所に集まり密を作りだしてしまいますね。今は電子マネーなどの非接触型決済が進んでいますので、会計がスムーズになったという店舗様も増えているかと思います。
さらに、前記で紹介したセルフオーダーシステムなら、QRコード決済とPOSレジ連携が可能なので、お客様を待たせたり会計ミスなどのトラブルも避けることができますので、レジ前の混雑を減らし感染対策としても有効です。
以上、客席へのご案内時、テーブルサービスとカウンターサービス時、会計処理時の注意の3つを抜粋して紹介しました。「飲食店の事業継続のためのガイドライン」では、この他にテイクアウトサービス、デリバリーサービス時の注意、従業員の安全衛生管理、店舗の衛生管理について設定されていますので、詳しくは以下をご確認ください。
「一般社団法人 日本フードサービス協会:飲食店の事業継続のためのガイドライン 」
【飲食店の感染対策】まとめ
この記事では、コロナ禍で事業を継続するための飲食店の感染対策について紹介しました。
昨年すでに利用された店舗様もあると思いますが、デリバリーやEC販売を開始するためのIT導入補助金、またパーテーションなど感染防止対策費が対象となる持続化補助金などで事業再開が支援されました。今年も予算が組まれていますので、経済産業省の情報を随時チェックしてみてください。
このコラムでも、少しでもお役にたてるような情報をお伝えしていきたいと思います。