飲食店お役立ちコラム

2022.01.17

接客

【飲食店の感染対策】第6波を乗り切るために

飲食店の感染対策

新型コロナウィルス「オミクロン株」による感染が拡がり、第6波がやってきました。
厚生労働省は、感染力が強い変異株「オミクロン株」の疑い例の占める割合が1月2日までの1週間で全国では46%に達したとの試算を公表。特に沖縄県では、感染者数が急増しています。国立感染症研究所による沖縄県の実地疫学調査報告によると、県内のオミクロン株確定例の潜伏期間は3日(範囲2-5日)。この調査では2回ワクチン接種完了者が半数を超えていました。

これまでに比べて重症化リスクは比較的低く無症状者が多いようですが、高齢者や基礎疾患がある人にとってのリスクは従来と変わらないとのこと。ワクチン接種の有無を問わず、引き続きマスク着用、手指消毒、三密の回避など、感染予防対策が必要です。

※出典:国立感染症研究所 沖縄県におけるSARS-CoV-2の変異株B.1.1.529系統症例の実地疫学調査報告

飲食店の感染対策も、これまで通り継続していかなければなりません。そこでこの記事では、農林水産省による「外食業の事業継続のためのガイドライン」の情報を基に、あらためて飲食店の感染対策を紹介します。

外食業の事業継続のためのガイドライン

「外食業の事業継続のためのガイドライン」とは、新型コロナウイルスの影響で厳しい状況下にある外食事業者が事業を継続するために、店舗営業に必要な取組を具体的に提示したものです。一般社団法人日本フードサービス協会と一般社団法人全国生活衛生同業組合中央会により作成されました。
以下は、「外食業の事業継続のためのガイドライン」から項目をピックアップし要約したものです。すでに対策済みの場合も、再確認にお役立てください。

事業継続にあたって

  • 店舗では食品衛生法を遵守して食品の安全で衛生的な取扱いを徹底する。

  • 具体的な例として、営業時間や提供メニュー品目の工夫、予約・空席状況等について、お客様へ店内外の掲示やITテクノロジー等を活用して情報発信する。

  • 店舗が社会的距離や安全性を考慮して感染防止に努めながら営業していることをお客様に理解してもらう。

  • 飲食店の感染対策として次の基本事項を確実に実施しながら、事業を継続する。

  • 食品の安全と衛生管理

    1. 店舗・施設等の清掃と消毒

    2. 換気の徹底(適切な空調設備を活用した常時換気又はこまめな換気(1時間に2回以上、かつ、1回に5分間以上が望ましい))

    3. 従業員の健康チェックと個人の健康・衛生管理の徹底

    4. 社会的距離の設定と確保への工夫

お客様の安全

【飲食店の感染対策】1.入店時

  • 店舗入口には、発熱や咳など異常が認められる場合は店内飲食をお断りさせていただく旨を掲示する。
    店舗入口や手洗い場所には、手指消毒用に消毒液(消毒用アルコール等)を用意する。

  • 店舗入口及び店内に、食事中以外は適切なマスクの着用及び咳エチケットの徹底をお願いする旨を掲示する。

  • 飛沫感染・接触感染を防止するために十分な間隔をとることが重要であることをお客様に理解していただき、店内が混み合う場合は入店を制限する。

  • 店内飲食やテイクアウトで順番待ちをする場合は、各人ができるだけ1m以上の間隔を空けるように誘導する(床に間隔を示すテープを貼るなど)。
    順番待ちが店外に及ぶ場合は、従業員が間隔を保つように誘導するか、または整理券の発行等により行列を作らない方法を工夫する。

【飲食店の感染対策】2.客席へのご案内

  • テーブルの間は、飛沫感染予防のためにパーティションで区切るか、できるだけ1m以上の間隔を空けて座れるように配置を工夫する。

  • カウンター席は密着しないように適度なスペースを空けるか、カウンターテーブルに隣席とのパーティション(アクリル板等)を設置するなどし、横並びで座る人に飛沫が飛ばないよう配慮する。

  • テーブル席は、真正面の配置を避けるか、または区切りのパーティション(アクリル板等)を設けるなど工夫する。

  • 少人数の家族、介助者が同行する高齢者・乳幼児・障がい者等が同席する場合で、上記の対応を行わない場合にあっても、他グループとの相席は避ける。

  • グループ間の安全を確保するために、他のグループとはできるだけ1m以上の間隔を空け、店舗内のスペースや構造上、物理的に間隔を空けた席の配置が難しい場合は、パーティションの設置や、スペースに余裕がある場合は斜めでの着席などを工夫する。

  • 接触アプリ(COCOA)など、国や自治体の各種通知サービスへの協力を可能な範囲で周知。

【飲食店の感染対策】3.テーブルサービスとカウンターサービス

  • テーブルサービスで注文を受けるときは、お客様の側面に立ち、可能な範囲で間隔を保つ。

  • お客様が入れ替わるタイミングや繁忙時間帯前後に、アルコール消毒薬、次亜塩素酸ナトリウム、台所用洗剤(界面活性剤)でテーブル・カウンターを消毒する。

  • カウンターサービスは、可能な範囲で従業員とカウンター席との間隔を保つ。

  • カウンターで注文を受けるときはお客様の正面に立たないように注意する。

  • カウンターでは、お客様と従業員の会話を想定し、従業員のマスク着用のほか、仕切りの設置などを工夫する。

  • 料理は大皿盛りを避けて、個々に提供する。鍋料理や盛り合わせ料理などを提供する場合は、従業員等が取り分けるなど工夫する。

  • スプーン、箸などの食器の共有、使い回しは避けるよう、掲示などにより注意喚起する。

  • お客様同士のお酌、グラスやお猪口の回し飲み、大声での会話は避けるよう、業態に応じ、掲示等により注意喚起する。

  • 個室を使用する場合は、十分な換気を行う。

【飲食店の感染対策】4.会計処理

  • 食券を販売している店舗は、券売機を定期的に消毒する。

  • 会計処理に当たる場合は、可能であれば、電子マネー等の非接触型決済を導入する。

  • 現金、クレジットカード等の受け渡しが発生する場合には、手渡しで受け取らず、コイントレイ(キャッシュトレイ)などを使用する。また、コイントレイは定期的に消毒する、会計の都度手指を消毒するなど工夫する。

  • 飛沫を防止するために、レジとお客様の間にアクリル板等の仕切りを設置するなど工夫する。

「外食業の事業継続のためのガイドライン」には、この他にもテイクアウトサービス、デリバリーサービス、従業員の安全衛生管理、店舗の衛生管理などについてガイドラインを示しています。詳しくは、農林水産省「外食業の事業継続のためのガイドライン」をご確認ください。

https://www.maff.go.jp/j/saigai/n_coronavirus/pdf/gl_gaishoku.pdf

飲食店の感染対策__外食業の事業継続のためのガイドライン:まとめ

コロナ禍が長く続き慣れてくると、だんだん感染対策意識の持続が難しくなってきます。定期的に「外食業の事業継続のためのガイドライン」を見直すことは、安心な事業継続に役立つのではないでしょうか。

飲食店の感染対策は、特にお客さまとの接触が多くなるテーブルサービスで注文を受けるときと会計処理時が重要です。これらの接触を減らし、注文、会計処理をスムーズに行うためには、セルフオーダーシステムを利用するのが効果的。セルフオーダーシステムの導入を検討する場合は、引き続き国や自治体が飲食店を支援する補助金を準備していますので、常に募集情報をチェックすることをお勧めします。
飲食店の感染対策や、新型コロナウィルス感染症の情報に関しては、信頼性のないデマも多いため、国や地方自治体などが発信する最新情報を得るようにしましょう。

農林水産省:外食業の事業継続のためのガイドライン(https://www.maff.go.jp/j/saigai/n_coronavirus/pdf/gl_gaishoku.pdf)を加工して作成

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