飲食店お役立ちコラム

2021.12.13

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【代替肉】世界的なブームに外食産業も参入

代替肉

「代替肉」が世界的にブームとなっています。日本でもマクドナルドをはじめ外食チェーンも代替肉の使用を開始、これに追随するかたちで様々な外食企業が参入し始めました。これまで代替肉を利用するのは菜食主義者などが中心でしたが、今は健康志向だけでなく人口増加や環境問題を背景に、代替肉の需要が高まっています
この記事では、代替肉の成長の背景や市場について紹介していきます。

代替肉とは

代替肉とは、一般に大豆など植物由来の肉を指します。植物由来の肉の原材料は大豆が多くを占めているため、大豆ミートとも呼ばれます。

その他植物由来の代替肉の総称としてプラントベースミート、またはオルタナティブミート、フェイクミートなどとも呼ばれることもあります。
また、商品化にあたっては菜食主義の消費者対応のため、動物性タンパク質を添加していないものと、一般消費者向けに添加しているものとがあるようです。

代替肉市場形成の背景

代替肉市場の動き

アメリカの代替肉市場では、食品テクノロジー企業のビヨンドミートが上場し黒字化を達成したほか、インポッシブル・フーズも未上場ながら市場を牽引しています。代替肉が世界的な潮流になる中、日本でもマクドナルドをはじめバーガーキングやKFCなど、外食大手チェーンも代替肉の使用を開始しました。内食についても、最近ではスーパーでも簡単に手に入れることができるようになっています。

以前から代替肉はありましたが、需要が少なく味の評価は低かったようです。今では代替肉自体の味の改良が進んでおり、「言われなければ代替肉だと気づかない」という声も聞かれるほどに美味しくなりました。

代替肉の原材料:大豆の生産

2020(令和2)年産の国産大豆は、21万1千トンが生産されており、ほぼ全量が食品用として使われています。食品用の自給率は20%となっています。
大豆の自給率が低い理由としては、大豆は年次変動が大きく、販売農家数が減少してきたこと。しかし、5ha以上農家の面積シェアは、平成12年の14%から、平成27年には67%に増加しており規模拡大の大幅な進展がみられます。最近では国産大豆の商品の売り上げが多い傾向にあるため、今後は国産大豆の生産が増えることも期待できます。

グラフ引用:農林水産省/大豆をめぐる事情/農家戸数と経営規模

飲食店の代替肉利用

代替肉の原材料:大豆の栄養に注目

「畑の牛肉」と称される大豆ですが、文部科学省の「日本食品標準成分表」によれば、可食部100グラム当たりのたんぱく質量は牛肉を上回ります。しかも米に少ないリジンなど体内で作ることのできない必須アミノ酸9種類を含め、人間が必要とするアミノ酸20種類すべてを含む強力なたんぱく源。

さらに大豆は、アンチエイジング効果で注目されているポリアミン、総コレステロール値を低下させる大豆レシチン、腸内の善玉菌のビフィズス菌を増殖させるオリゴ糖、抗酸化作用がある大豆サポニンなど、多くの機能性物質を含んでいます。また豆乳に多く含まれるフィチン酸の抗がん作用や抗酸化作用、大豆油に含まれるα-リノレン酸から体内で作られるエイコサペンタエン酸(EPA)の血圧低下作用、ドコサペンタエン酸(DPA)の抗アレルギー効果も期待されています。

出典:農林水産省 日本人と大豆(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1606/spe1_04.html)

低カロリーで、栄養成分が豊富な植物由来の”肉”である大豆を使ったメニューは、特に健康志向のお客さまにアピールするこができます。

代替肉のメニューとは

肉のかわりに大豆を使うこととは違い、代替肉は肉の食感も再現しています。
すでに飲食店で提供されている代替肉のメニューではハンバーガーが代表的ですが、その他、ミンチタイプの大豆ミートで作るミートソースパスタ、水で戻したブロックタイプの大豆ミートに下味をつけ、粉をまぶしてフライパンで揚げ焼きして作る唐揚げなど、あらゆる肉のメニューを代替肉で作ることができます。

ブロックタイプの大豆ミートの場合は、戻し方や味付けに工夫することで、肉を使った場合と比べても遜色ない味を再現することができるようです。メニューの幅が拡がり、ヴィーガンやベジタリアンのお客さまにも対応できるため、外国人観光客が多い飲食店にも取り入れたいメニューです。

【代替肉】世界的なブームに外食産業も参入:まとめ

2021年6月、令和3年度版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書が政府の閣議で決定され、この中で「食の一つの選択肢としての代替肉」が取り上げられました。すでに国内でも大手メーカーが代替肉に参入していますが、今後さらに多くのメーカーが代替肉に取り組み、代替肉の商品を提供する飲食店も増えていくでしょう。

これからは飲食店のメニューにおいて、美味しさ・ヘルシーさだけでなく、新しい付加価値が必要となる時代。メニュー開発・集客のアイデアのひとつとして、代替肉を取り入れてみてはどうでしょうか。

農林水産省: 令和元年度 新たな種類のJAS 規格調査委託事業 調査報告書 調査結果:代替肉 (https://www.maff.go.jp/j/jas/attach/pdf/yosan-27.pdf)を加工して作成

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