飲食店お役立ちコラム

2021.09.3

経営

活用しよう！ミラサポplus

日本の中小企業・小規模事業者は、企業数全体の99％以上を占め日本経済の主役と言えます。その中で飲⾷業は小規模事業者も多く、特にコロナ禍では国の支援が重要となっています。

経済産業省ミラサポplusは、中小企業・小規模事業者に向けて、経営支援や補助金・給付金の申請に役立つ情報を検索することができます。

このミラサポplusの事例ナビでは、事業者の課題・取組内容・成果が簡潔に紹介されていますので、店舗経営の参考になるのではないでしょうか。この記事では事例をいくつかピックアップして紹介していきたいと思います。

---- Table of contents -----

ミラサポplus 飲食店の事例1.　セルフオーダーシステム

セルフオーダーで人手不足を乗り切り営業時間増へ

焼肉店/3店舗　従業員20名（2018年）

課題

人手不足に悩みランチ営業は週末のみに。肉のカッティングや盛り付けなどは信頼できるスタッフに任せたいため採用数は限られる。
オーダー時は専門的な肉の部位など聞き間違いも発生。追加オーダーの呼び出しも多い。POSレジの必要性は知っていたが、価格が高かった。

取組内容

タブレットでレジができることを知り、オーダー情報をデータ化し、厨房・会計に活用するクラウドサービスを探し導入。
データ分析機能を備え、利用時に必要なネットワーク周りやレシートプリンターなどのセッティング、利用中のサポートに対応したサービスを利用。

成果

顧客が自ら画面からオーダーし、その情報が厨房に届くので、正確さ・スピードが向上。
スタッフは料理を運ぶことや接客に専念でき、聞き間違いがなくなった。
６人必要だった現場が５人で回せるようになり、シフトの自由度が増しランチ営業を再開できる見込みが立った。
同じ営業時間で利益が上昇。データを見て、男女比率やメニューごとのオーダー数などを確認し、メニュー改善の判断に活用している。

ミラサポplus 飲食店の事例2.　AIによるデータ分析

AIによるデータ分析で、業務改善や従業員の士気向上、売上拡大を実現

食堂（寿司・松阪牛のコース料理など）/3店舗　従業員45名（2018年）

課題

「経験と勘」に基づく事業運営が常態化しており、正確な需要予測が行われないことによってフードロスによる損失が発生していたほか、非効率なオペレーションにより従業員は疲弊していた。

取組内容

AIの導入により、需要予測の精度を向上させフードロスの低減を行う。効率的なオペレーションによる負荷軽減。

成果

従業員の業務負荷軽減は、従業員の空き時間を捻出することにつながり、従業員を増やすことなく新たな業務を行うことが可能になったほか、心の余裕も生み接客の質が向上した。
従来と比べ売上高を４倍に増加させることができたほか、週休二日制や長期休暇の導入、従業員の給与アップも実現した。

ミラサポplus 飲食店の事例3.　IT活用

飲食店での積極的なIT活用により顧客体験の提供を目指す

サラダ専門店/従業員335名　14店舗を展開（2020年）

背景・課題

順調に業績を伸ばしていたが、その一方で、人気の高まりに比例して現場は疲弊していき、オペレーションを回すことで精一杯という状況に陥った。
創業時に目指した、人へフォーカスし、「嬉しい」・「楽しい」の感情を抱いてもらえる顧客体験を提供することが難しくなっていた。

取組内容

アメリカのスターバックスが導入を開始して話題を集めたオーダーシステムに注目し、公式モバイルオーダーアプリを全店に導入した。
顧客はスマホから事前注文・決済が可能、好きな時間に店舗に行って商品をピックアップできるようにした。
さらに、５店舗では完全キャッシュレス化も実施。顧客・従業員双方にとっての現金の取扱いによるストレスを軽減させた。

成果

待ち時間短縮による顧客の満足度・来店頻度の向上が得られた。
また、現場スタッフの作業時間も１日あたり90分間軽減し、顧客とより温かなコミュニケーションをとる余裕が生まれ、当初目指していた人へフォーカスした接客が実現しやすくなった。
売上面でも、店頭注文と比較して、アプリ注文では顧客単価が８％アップした。