2025.06.2
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人気の日本ワインで選ばれるお店へ!顧客満足度アップの新提案
日本ワインは近年、品質が飛躍的に向上し、国内外で高い評価を得ています。これは、土地や気候に合わせたブドウ作りや、ワイン造りを意識した栽培方法・収穫時期の見直しによって、ブドウの品質自体が劇的に向上したことが大きな要因と言われています。
この記事では、日本ワインの主要な産地や、飲食店での導入メリット、メニュー展開と提案のアイデア、そして他店との差別化に繋げるためのアイデアを分かりやすく解説します。
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日本ワインの人気
消費者調査(ぐるなびPRO)によると、今後飲みたいワインのトップが日本ワインとなりました。
………ワインまたはワインを使った飲み物で、今後(も)飲みたいものを尋ねました。トップは「日本ワイン」(33.8%)で、2位の「ナチュラルワイン」(23.1%)を10ポイントほど上回っています。………
引用元【消費者調査】「日本ワイン」「ナチュラルワイン」に高い関心(https://pro.gnavi.co.jp/magazine/t_res/cat_3/a_4408/?p=1#mg0037)
ワインは、ブームから文化へと成熟しつつあり、消費者の裾野も広がっています。今後は、より多様な日本ワインによる新たな市場機が広ることが期待されます。
日本ワインの定義
これまで日本で造られるワインは、国産ワインや日本ワインなど様々な呼称が使われてきました。そこで国税庁は、果実酒等の製法品質表示基準を定め、日本ワインを「国産ぶどうのみを原料とし、日本国内で製造された果実酒」と明確に定義を行い、2018年から施行されました。
日本ワインとは、国内産のぶどうだけを使い日本国内で醸造されたワインです。
一方、国内製造ワインは、主に海外から輸入した濃縮ぶどう果汁を原料として国内で製造されたワイン、あるいは日本国内で製造されたぶどうを原料とするワインであっても、日本ワインの表示基準を満たさないものを指します。
この基準により、国内流通するワインは(1)日本ワイン、(2)国内製造ワイン、(3)輸入ワインの三つに分類されるようになりました。
日本ワインの主要な産地
世界的に有名なワイン用ぶどうの産地は、日本と比べて降水量が少なく、日照時間が長い上に、一日の気温差が年間を通じて大きいという特徴があります。これに対し、日本は降水量が多く、世界的な産地とは異なる気候条件を持つため、従来はワイン用ぶどうの栽培に適した環境とは言えませんでした。
しかし、近年では日本の気候風土に適した品種の開発や栽培技術の進歩により、国際的にも高く評価されるワインが生産されるようになっています。
なぜ今「日本ワイン」なのか?飲食店が導入する5つのメリット
では、飲食店が日本ワインを導入することには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット1:他店との差別化とブランディング
日本ワインに力を入れている店という個性は、大きな強みになります。特に、まだ日本ワインの品揃えが少ないエリアであれば、先進的なイメージを打ち出し、ワイン好きのお客様を惹きつけることができます。「日本ワインならあのお店」という独自のポジションを確立できれば、リピーター獲得にも繋がります。
メリット2:ストーリー性による付加価値の提供
日本ワインには、それぞれの産地、ワイナリー、ブドウ品種に物語があります。例えば、「このワインは〇〇県の△△さんが、丹精込めて育てたブドウから造られていて…」といったストーリーは、お客様の興味を引き、ワインの価値を高めます。料理とのペアリング提案にストーリーを添えることで、より豊かな食体験を提供できます。
メリット3:料理とのペアリングの可能性拡大
日本ワインは、繊細な味わいのものが多く、和食との相性が良いものがあります。出汁の旨味や醤油、味噌といった和の調味料とも調和しやすく、これまでワインとのペアリングが難しかった料理にも新たな可能性が生まれます。もちろん、和食だけでなく、フレンチやイタリアンなど、様々なジャンルの料理にも合わせやすい懐の深さも魅力です。特に、その土地の食材を使った「地産地消」メニューと、同じ地域の日本ワインを合わせる提案は、お客様にとって非常に魅力的な体験となるでしょう。
メリット4:国産志向・高品質志向の顧客ニーズへの対応
食の安全性や品質への関心が高まる中、「国産」であること、「高品質」であることは、お客様にとって重要な選択基準です。日本ワインは、まさにこのニーズに応えるもの。特に、健康や産地にこだわる層や、新しいものを試したい知的好奇心の高い層に響きやすいでしょう。
メリット5:インバウンド需要の取り込み
海外からの観光客にとって、日本ならではの食体験は大きな魅力です。日本酒や焼酎と並び、日本ワインも「Made in Japan」のコンテンツとして注目度が高まっています。日本のブドウで造られた高品質なワインを提供することは、海外のお客様に新たな感動を与え、日本の食文化の奥深さを伝える絶好の機会となります。
日本ワインを楽しんでもらうメニュー展開と提案のコツ
日本ワインを導入したら、次はお客様にその魅力を伝え、楽しんでいただく工夫をしましょう。
メニューへの効果的な取り入れ方
グラスワインの充実
まずは気軽に試せるグラスワインに日本ワインを数種類用意しましょう。赤・白・スパークリングなど、バランス良く揃えるのがおすすめです。
「日本ワイン特集」ページの作成
ワインリストの中に、日本ワインのコーナーを設け、産地やブドウ品種、味わいの特徴などを分かりやすく記載します。
ペアリングセットの提案
「本日のおすすめ鮮魚と甲州ワインのセット」「国産牛ステーキと長野県産メルローのマリアージュ」など、料理と日本ワインのペアリングをセットメニューとして提案するのも効果的です。
季節限定・地域限定メニューとの連動
春には桜を思わせるロゼの日本ワイン、秋には収穫祭にちなんだ新酒など、季節感を打ち出すのも良いでしょう。また、特定の地域の食材を使ったフェアと、その地域の日本ワインを組み合わせるのも面白い試みです。
テイスティングセット(飲み比べセット)の提供
「甲州ワイン飲み比べ3種セット」「日本ワイン産地別テイスティング」など、少量ずつ複数のワインを楽しめるセットは、お客様の好奇心を刺激し、注文のハードルを下げます。
お客様への提案のアイデア
スタッフの知識向上と共有
スタッフ自身が日本ワインの魅力(味わい、産地、造り手、ストーリー)を理解し、自分の言葉で語れるようにすることが最も重要です。定期的な試飲会や勉強会を実施しましょう。
「なぜこのワインがおすすめなのか」を伝える
「美味しいですよ」だけでなく、「このお料理の〇〇という特徴と、このワインの〇〇という個性が非常によく合います」「このワインは、こういう想いで造られていて…」など、具体的な理由や背景を伝えることで、お客様の納得感と満足度が高まります。
POPやメニューブックでの情報発信
ワイナリーの写真や産地の地図、ブドウ品種の特徴などを分かりやすくまとめたPOPやメニューブックは、視覚的にも訴求力があります。
イベントの開催
ワイナリーの醸造家を招いてのメーカーズディナーや、日本ワインセミナーなどを開催するのも、ファン獲得や情報発信の良い機会になります。
人気の日本ワインで選ばれるお店へ!顧客満足度アップの新提案:まとめ
日本ワインは、その品質の高さ、多様性、そしてストーリー性において、飲食店の新たな強みとなり得るポテンシャルを秘めています。
定義を正しく理解し、自店の料理やコンセプトに合ったワインを選び、お客様にその魅力を伝える工夫を凝らすことで、顧客満足度の向上、売上アップ、そして他店との差別化が期待できるでしょう。
出典 農林水産省:世界も認める「日本ワイン」を知ろう!(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2101/spe1_01.html)を加工して作成